2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「女性と仏教」の方法と視角について  ―吉田一彦氏の書評への所感―(その2)

2「巣ごもり」した事情 1997年に刊行を終了した『講座・蓮如』(平凡社)が、私が同学の人々と研究上の交渉を持った最後であった。また、この時期には世にいう学会はほとんど退会し、また、学会・研究会・セミナーといいたアカデミックな場には2000年頃より…

「女性と仏教」の方法と視角について ―吉田一彦氏の書評への所感―

序 ことの始まり かつて「研究会・女性と仏教」の京都事務局スタッフとして、会への参加の呼びかけを行なったとき、お声掛けをした先輩方から、「女性史の問題は仏教史・真宗史はなじめない。仏教史・真宗史の問題にならいないのでは?」という率直な感想を…

真宗葬送儀礼の成立から展開 ー「天文日記」の「御剃刀」記事ー

証如が大坂本願寺における日次を記した「天文日記」を丁寧に読み進めるると、数少ないが大坂寺内住民の仏事に関する記述が見受けられ興味深い。ここでは、すでに大坂御堂での寺内住民だけでなく地方からの武士門徒・商工業者と推定しうる門徒の年回仏事が確…